ヘーベルハウスに長く住み続ける上で、避けては通れないのが定期的なメンテナンスです。
特に築20年という大きな節目に行われる点検は、住まいの寿命を左右する重要なイベントと言えるでしょう。
しかし、具体的にヘーベルハウスの20年点検内容がどのようなものか、費用はかかるのか、どんな項目をチェックされるのか、不安に思う方も少なくないはずです。
また、点検の結果によっては外壁塗装や屋根の防水工事といった大規模な修繕が必要になることもあり、その際の費用感が分からず心配になるかもしれません。
この点検は、大切な住まいの保証延長にも関わるため、無視することはできない重要な機会となります。
中には、点検自体は無料なのか、それとも有料なのか、シロアリ対策は必要なのか、そして次の30年点検に向けてどのような準備をしておけば良いのか、知りたい情報がたくさんあることでしょう。
この記事では、そうした疑問や不安を解消するために、ヘーベルハウスの20年点検内容について、費用や具体的な点検項目、保証延長の条件などを網羅的に解説していきます。
安心して20年目の点検を迎え、その先も快適に暮らしていくための知識を深めていきましょう。
- ➤ヘーベルハウスの20年点検が無料か有料かの基準
- ➤点検でチェックされる具体的な項目リスト
- ➤点検を無視した場合に起こり得る重大なリスク
- ➤保証を延長するためにクリアすべき条件
- ➤20年点検で指摘されやすい外壁や屋根の劣化症状
- ➤防水工事やシロアリ対策の必要性とタイミング
- ➤30年点検を見据えた長期的なメンテナンス計画の立て方
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ヘーベルハウスの20年点検内容と費用の詳細解説
- ➤点検は無料?有料になるケースと費用の相場
- ➤具体的な点検項目を場所別に紹介
- ➤点検を無視すると起こりうるリスクとは
- ➤保証延長と20年点検の重要な関係性
- ➤次の30年点検に向けたメンテナンス計画
点検は無料?有料になるケースと費用の相場

ヘーベルハウスの20年点検を控えている方にとって、最も気になることの一つが費用面ではないでしょうか。
まず結論からお伝えすると、ヘーベルハウスの20年点検自体は、基本的に無料で実施されます。
これは、ヘーベルハウスが提供する長期保証プログラムの一環であり、建物の状態を専門家の目で確認し、必要なメンテナンスを提案するためのサービスです。
しかし、注意が必要なのは、点検の結果、何らかの修繕や部材の交換が必要だと判断された場合です。
その修繕にかかる費用は、当然ながらオーナーの負担となります。
つまり、「点検は無料、修理は有料」というのが基本的な考え方になるわけです。
有料になるケースとして最も代表的なのが、外壁の再塗装や屋根の防水シートの再施工です。
これらは経年劣化によって性能が低下するため、20年という節目でのメンテナンスが推奨されることが多い箇所です。
費用の相場としては、建物の規模や劣化の度合い、使用する塗料や防水材のグレードによって大きく変動しますが、一般的には外壁塗装で150万円から250万円程度、屋根の防水工事で100万円から200万円程度が一つの目安とされています。
もちろん、これらはあくまで目安であり、足場の設置費用やシーリングの打ち替え費用などが含まれるため、見積もりをしっかりと確認することが大切です。
他にも、ベランダの防水処理の劣化、給湯器や換気扇といった住宅設備の寿命による交換なども有料工事の対象となります。
特に、ヘーベルハウスの保証を延長するためには、メーカーが指定する有料メンテナンス(必須工事)を実施することが条件となる場合があります。
この点を理解しておかないと、「無料で点検してくれると聞いていたのに、高額な工事費用を請求された」と感じてしまうかもしれません。
したがって、20年点検を迎えるにあたっては、ある程度の修繕費用が発生する可能性を念頭に置き、資金計画を立てておくことが賢明と言えるでしょう。
点検担当者からの説明をよく聞き、提案された工事が本当に必要なのか、なぜその費用がかかるのかを納得いくまで確認する姿勢が重要です。
具体的な点検項目を場所別に紹介
ヘーベルハウスの20年点検では、専門の担当者が建物の隅々までチェックし、長期にわたって安全・快適に住み続けるための診断を行います。
点検項目は多岐にわたりますが、大きく分けて「外部」と「内部」の2つの観点から進められます。
ここでは、具体的にどのような場所がチェックされるのかを場所別にご紹介します。
外部の点検項目
建物の外回りは、雨風や紫外線に常にさらされているため、劣化が進みやすい部分です。
そのため、点検も特に念入りに行われます。
- 外壁(塗装・シーリング): ヘーベルハウスの顔ともいえる外壁は、塗装の剥がれや色褪せ、ひび割れ(クラック)の有無を入念に確認します。また、パネルの継ぎ目を埋めているシーリング材が硬化したり、ひび割れたりしていないかも重要なチェックポイントです。
- 屋根・屋上: 陸屋根が特徴のヘーベルハウスでは、防水シートの状態が最も重要です。シートの破れや浮き、硬化がないか、排水口(ドレン)周りにゴミが詰まっていないかなどを点検し、雨漏りのリスクを評価します。
- ベランダ・バルコニー: 床面の防水層の劣化や、手すりのぐらつき、排水溝の状態などを確認します。
- 基礎: 基礎コンクリートにひび割れや欠けがないか、地面との間に隙間ができていないかなどを目視で点検します。
- 屋外設備: 給湯器やエアコンの室外機などの設備が正常に機能しているか、設置状況に問題がないかを確認します。
内部の点検項目
普段の生活では気づきにくい床下や小屋裏(屋根裏)など、建物の構造に関わる部分を中心に点検が行われます。
- 床下: 点検口から床下に入り、土台や大引といった構造材に腐食やシロアリの被害(蟻道)がないかを確認します。また、給排水管からの水漏れの有無や、断熱材の状態もチェックされます。
- 小屋裏(屋根裏): 屋根裏に入り、野地板や垂木といった屋根を支える構造部に雨漏りの形跡がないか、断熱材がずれていないかなどを確認します。
- 建具・内装: ドアや窓の開閉がスムーズか、床鳴りや壁紙の剥がれなど、内装に著しい劣化がないかを目視で確認します。
- 水回り設備: キッチン、浴室、トイレなどの給排水設備から水漏れがないか、換気扇が正常に作動しているかなどを点検します。
これらの点検は、専門の器具を使用しながら、約2〜3時間かけて行われるのが一般的です。
点検後には、写真付きの詳細な報告書が提出され、建物の現状と推奨されるメンテナンス内容について詳しい説明が受けられます。
この報告書をもとに、今後のメンテナンス計画を立てていくことになります。
点検を無視すると起こりうるリスクとは

「特に不具合も感じていないし、費用がかかるかもしれないなら、20年点検は受けなくてもいいのでは?」と考える方もいるかもしれません。
しかし、ヘーベルハウスの20年点検を無視することには、いくつかの大きなリスクが伴います。
そのリスクを理解せずに点検を受けないと、将来的に大きな後悔につながる可能性があります。
最も重大なリスクは、建物の保証が失効してしまう可能性があることです。
ヘーベルハウスの長期保証は、定期的な点検と、その結果に基づいて推奨される有料メンテナンス(必須工事)を実施することを条件に延長されます。
もし20年点検を受けなかったり、必要なメンテナンスを怠ったりした場合、本来であれば受けられるはずだった構造躯体や防水に関する保証が打ち切られてしまうのです。
保証がなければ、万が一、将来的に雨漏りや構造上の欠陥といった重大なトラブルが発生した際に、その修理費用はすべて自己負担となってしまいます。
そうなると、数百万円単位の予期せぬ出費が発生する可能性も否定できません。
次に考えられるリスクは、建物の劣化を放置してしまうことです。
20年も経過すると、オーナー自身が気づかないところで、少しずつ劣化は進行しています。
例えば、屋上の防水シートに小さな亀裂が入っていたり、外壁のシーリングが劣化して隙間ができていたりすることがあります。
これらの初期症状は、日常生活ではなかなか気づくことができません。
点検を無視してこれを放置すると、亀裂や隙間から雨水が内部に侵入し、構造躯体の腐食や断熱材の劣化、さらにはシロアリの発生といった、より深刻な問題へと発展しかねません。
初期段階で補修していれば数十万円で済んだはずの工事が、数年後に発見されたときには大規模な修繕が必要となり、結果的に数百万円もの費用がかかってしまうというケースは少なくないのです。
専門家による点検は、こうした「建物の隠れたサイン」を発見し、問題が小さいうちに対処するために不可欠です。
さらに、建物の資産価値を維持するという観点からも、定期点検は重要です。
将来的に家を売却することになった場合、定期的なメンテナンス履歴がしっかりと残っている家と、そうでない家とでは、査定額に差が出ることがあります。
定期点検を受け、適切なメンテナンスを行っていることは、その家が大切に維持管理されてきた証となり、買い手に対する安心感にもつながるのです。
以上のことから、ヘーベルハウスの20年点検を無視することは、「保証」「建物の寿命」「資産価値」という3つの側面で大きなデメリットがあると言えます。
目先の費用を惜しむのではなく、長期的な視点で住まいの健康を維持するために、必ず点検を受けるようにしましょう。
保証延長と20年点検の重要な関係性
ヘーベルハウスが提供する長期保証制度は、オーナーにとって大きな安心材料の一つです。
しかし、この保証は自動的に永続するものではなく、その維持・延長には20年点検が極めて重要な役割を果たします。
この関係性を正しく理解しておくことが、大切な住まいを長く守る上で不可欠です。
ヘーベルハウスの保証は、初期保証として構造耐力主要部と雨水の浸入を防止する部分について、最長で30年間の保証が提供されています。
そして、この保証をさらに30年目以降も延長していくためには、20年目に実施される点検と、その際に旭化成ホームズが「必要」と判断した有料のメンテナンス工事(保証延長のための必須工事)を受けることが条件となっています。
具体的には、20年点検の結果、外壁の塗装やシーリングの打ち替え、屋根の防水工事などが必要と診断された場合、これらの工事を旭化成リフォームなどの指定業者で実施することで、保証が次の10年、つまり30年目まで延長される仕組みです。
もし、この点検を受けなかったり、必須工事を実施しなかったりすると、その時点で保証は満了となり、以降に発生した不具合はすべて自己負担での対応となってしまいます。
なぜこのような仕組みになっているのでしょうか。
それは、建物の性能を長期にわたって維持するためには、経年劣化する部分の定期的なメンテナンスが不可欠だからです。
例えば、外壁の塗装は単に美観を保つだけでなく、外壁材であるALCパネルを雨水から守るという重要な役割を担っています。
塗装が劣化して防水機能が低下すると、パネルが水分を吸ってしまい、建物の耐久性に影響を及ぼす恐れがあります。
メーカーとしては、適切な時期に適切なメンテナンスを行うことを条件に、建物の品質を保証し続けるというスタンスなのです。
この保証延長の仕組みは、オーナーにとっては出費を伴うものではありますが、長期的に見れば多くのメリットがあります。
第一に、専門家による診断に基づいた最適なタイミングでメンテナンスを行うことで、建物の寿命を延ばし、深刻なトラブルを未然に防ぐことができます。
第二に、保証が継続しているという安心感は何物にも代えがたいものです。
万が一の際にもメーカーのサポートが受けられるため、予期せぬ高額な出費リスクを回避できます。
したがって、ヘーベルハウスの20年点検は、単なる建物の健康診断ではなく、「長期保証を継続するための重要な手続き」であると認識することが重要です。
点検時に提案されるメンテナンス内容と費用について十分に理解し、納得した上で工事を実施することが、安心して暮らし続けるための賢明な選択と言えるでしょう。
次の30年点検に向けたメンテナンス計画

ヘーベルハウスの20年点検を無事に終え、必要なメンテナンスを実施したからといって、それで安心しきってしまうのは早計です。
住まいの維持管理は継続的なプロセスであり、次の大きな節目である30年点検、さらにはその先も見据えた長期的な視点でのメンテナンス計画を立てることが、建物の寿命を延ばし、快適な暮らしを維持するために重要となります。
20年点検で外壁塗装や屋根の防水工事を行った場合、その効果は永久に続くわけではありません。
使用する塗料や防水材の耐久性にもよりますが、一般的には10年から15年程度で再びメンテナンスが必要になるケースが多いです。
つまり、20年目に工事をしたら、次は30年から35年目あたりが次の大規模修繕のタイミングになる可能性が高いということです。
このことを念頭に置き、20年点検が終わった時点から、次のメンテナンスに向けた資金計画をスタートさせることが賢明です。
例えば、10年後に200万円の修繕費が必要になると仮定した場合、毎月約17,000円、年間で約20万円を修繕積立金として計画的に貯めていくといった具体的な計画を立てることができます。
このような準備をしておくことで、いざ30年点検を迎えた際に、費用の捻出に慌てることがなくなります。
また、大規模な修繕だけでなく、日常的なセルフメンテナンスも建物の寿命を延ばす上で効果的です。
例えば、屋根の排水ドレン周りの定期的な清掃は、雨漏りのリスクを大幅に軽減します。
落ち葉やゴミが詰まると、雨水がうまく排水されずに屋上に溜まってしまい、防水層の劣化を早めたり、予期せぬ場所から水が浸入したりする原因になります。
年に1〜2回、安全に配慮しながら自分でチェックする習慣をつけるだけでも、大きな違いが生まれるでしょう。
同様に、ベランダの排水溝の掃除や、窓サッシのレールの清掃なども、自分で行える重要なメンテナンスです。
さらに、給湯器や換気システム、エアコンといった住宅設備についても、耐用年数を把握しておくことが大切です。
一般的に、給湯器の寿命は10〜15年と言われています。
20年点検の際に交換していなければ、30年点検までの間に故障する可能性が高まります。
突然お湯が出なくなるといった事態を避けるためにも、耐用年数が近づいてきたら、早めに交換を検討するのがおすすめです。
ヘーベルハウスの20年点検は、ゴールではなく、新たなスタートです。
点検結果の報告書を大切に保管し、それを基に次の10年間のメンテナンス計画を家族で話し合う良い機会と捉えましょう。
計画的な維持管理を続けることが、結果的にトータルのメンテナンスコストを抑え、大切な住まいの資産価値を守ることにつながるのです。
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ヘーベルハウスの20年点検内容で指摘されやすい劣化箇所
- ➤重要な外壁塗装のタイミングと補修
- ➤陸屋根で特に注意したい防水工事
- ➤床下で確認されるシロアリ被害の有無
- ➤ベランダや窓回りのシーリング劣化
- ➤給湯器など住宅設備の交換時期
- ➤ヘーベルハウスの20年点検内容を理解し計画的な維持管理を
重要な外壁塗装のタイミングと補修

ヘーベルハウスの20年点検内容において、最も大きなテーマの一つとなるのが外壁のメンテナンスです。
外壁は建物の印象を決定づけるだけでなく、構造体であるALCパネルを風雨や紫外線から保護する重要な役割を担っています。
そのため、適切なタイミングでの塗装や補修が不可欠となります。
一般的に、ヘーベルハウスで使用されている高耐久な塗装であっても、20年も経過すると、徐々にその性能は低下してきます。
点検で指摘されやすい劣化のサインとしては、以下のようなものが挙げられます。
- チョーキング現象:外壁を手で触ったときに、白い粉のようなものが付着する現象です。これは塗膜の表面が劣化し、防水機能が低下し始めているサインです。
- 色褪せ・変色: 紫外線の影響で、新築時と比べて全体的に色が薄くなったり、まだらになったりします。美観の問題だけでなく、塗膜の劣化を示しています。
- ひび割れ(クラック): 塗膜に細かなひび割れが発生することがあります。ヘアクラックと呼ばれる微細なものであれば緊急性は低いですが、放置するとひびが深くなり、そこから雨水が浸入する原因になります。
- コケやカビの発生: 塗膜の防水性が低下すると、壁が水分を含みやすくなり、日当たりの悪い北側などを中心にコケやカビが発生しやすくなります。
これらの症状が見られる場合、外壁塗装の実施が推奨されます。
20年という節目は、まさにこの塗装メンテナンスを行うのに適したタイミングと言えるでしょう。
外壁塗装を行うことのメリットは、単に見た目がきれいになるだけではありません。
新しい塗膜で外壁をコーティングすることにより、防水性を回復させ、ALCパネルへの水の浸透を防ぎ、建物の耐久性を向上させることができます。
また、遮熱性や断熱性の高い塗料を選ぶことで、夏は涼しく冬は暖かい住環境を実現し、光熱費の削減に貢献するといった付加価値も期待できます。
補修に関しては、塗装の前にシーリングの「打ち替え」または「増し打ち」が行われるのが一般的です。
シーリングは外壁パネル間の継ぎ目や窓サッシの周りに充填されているゴム状の部材で、水の浸入を防ぐとともに、地震の際の揺れを吸収する重要な役割があります。
しかし、シーリングは紫外線に弱く、10年〜15年程度で硬化し、ひび割れや肉痩せといった劣化が生じます。
20年経過した時点では、ほぼ確実に性能が低下しているため、塗装と同時にシーリングを新しくすることが極めて重要です。
古いシーリングを撤去して新しいものを充填する「打ち替え」が最も確実な方法です。
これらの外壁メンテナンスは、保証延長のための必須工事に指定されることがほとんどです。
費用は決して安くはありませんが、建物の寿命を延ばし、長期的な資産価値を守るための重要な投資と捉えるべきでしょう。
陸屋根で特に注意したい防水工事
ヘーベルハウスのモダンな外観を特徴づけている陸屋根(フラットルーフ)は、デザイン性に優れる一方で、雨漏りを防ぐための防水層の維持管理が非常に重要となります。
勾配のある屋根と違い、雨水が溜まりやすい構造のため、防水層にわずかな劣化や損傷があるだけで、深刻な雨漏りにつながる可能性があるからです。
そのため、ヘーベルハウスの20年点検内容の中でも、屋根の防水状態のチェックは最重要項目の一つと位置づけられています。
ヘーベルハウスの屋根には、一般的に「シート防水」という工法が採用されています。
これは、塩化ビニルや合成ゴムなどで作られたシートを屋根下地に貼り付けて防水層を形成するものです。
この防水シートは耐久性が高いものの、紫外線や熱、風雨に長年さらされることで、徐々に劣化が進行します。
20年点検で指摘されやすい劣化症状には、以下のようなものがあります。
防水シートの劣化サイン
- シートの硬化・ひび割れ: 経年によりシートの柔軟性が失われ、硬くなります。硬化が進行すると、温度変化による収縮に追従できなくなり、ひび割れが発生することがあります。
- シートの浮き・膨れ: シートと下地の接着力が低下したり、防水層の下に湿気が溜まったりすることで、シートが浮き上がったり、水ぶくれのように膨れたりすることがあります。強風で剥がれる原因にもなります。
- 接合部の剥がれ: シート同士のつなぎ目や、壁との取り合い部分の接着が弱くなり、剥がれて隙間ができることがあります。雨水の浸入口となりやすい危険な状態です。
- ドレン(排水口)周りの不具合: 排水口周りは構造が複雑で、ゴミが詰まりやすいため、防水層の劣化が起こりやすい箇所です。排水機能の低下は、屋上に水が溜まる「プール状態」を引き起こし、雨漏りのリスクを急激に高めます。
これらの劣化サインが見られた場合、防水層の全面的な改修、つまり防水工事が必要と判断されます。
特に、保証延長の条件として、屋根の防水工事が必須項目となるケースがほとんどです。
防水工事の方法には、既存の防水層の上から新しいシートを被せる「かぶせ工法」や、既存の防水層を撤去して新しく作り直す「撤去・新設工法」などがあります。
建物の状態や予算に応じて最適な工法が提案されますが、いずれも専門的な技術が必要な大掛かりな工事となります。
費用は高額になりがちですが、雨漏りは建物の構造躯体を腐食させ、断熱材を劣化させるなど、住まいの寿命を著しく縮める致命的なトラブルです。
陸屋根を持つヘーベルハウスにとって、20年目の防水工事は、その後の20年も安心して暮らすための最も重要なメンテナンスであると言っても過言ではありません。
点検での指摘を真摯に受け止め、計画的に実施することが大切です。
床下で確認されるシロアリ被害の有無

普段目にすることのない床下は、住宅の土台を支える重要な空間ですが、湿気がこもりやすく、シロアリにとっては格好の生息場所となり得ます。
ヘーベルハウスは鉄骨構造であり、主要な構造部材が木材ではないため、「シロアリは関係ない」と思われがちですが、それは大きな誤解です。
床下の点検とシロアリ対策は、ヘーベルハウスの20年点検内容においても非常に重要な項目の一つです。
なぜ鉄骨住宅でもシロアリ対策が必要なのでしょうか。
その理由は、シロアリは土台や柱といった構造材だけでなく、断熱材や床の下地材である木材、さらには畳や家具まで、木質系のものなら何でも食べてしまうからです。
ヘーベルハウスの床下にも、断熱材や根太(床板を支える部材)など、シロアリの餌となる材料が使用されています。
シロアリがこれらの部材を食害すると、床の断熱性能が低下したり、床が抜け落ちるようなことは稀ですが、床鳴りの原因になったりする可能性があります。
さらに、シロアリが蟻道(ぎどう)と呼ばれる土のトンネルを作る際に、基礎コンクリートや断熱材を傷つけ、建物の性能を損なうことも考えられます。
20年点検では、専門のスタッフが床下の点検口から内部に入り、隅々まで詳細なチェックを行います。
主なチェックポイントは以下の通りです。
- 蟻道の有無: 基礎の内側や配管周りに、シロアリが地上に出るために作った土のトンネルがないかを入念に確認します。蟻道が発見された場合は、シロアリが侵入している確実な証拠です。
- 木部の食害痕: 床を支える大引や根太などに、シロアリに食べられた痕跡がないか、打診(叩いて音の変化を調べる)などを行いながら確認します。
- 湿気・カビの状況: 床下の湿度が高すぎないか、木材にカビが発生していないかをチェックします。湿気の多い環境はシロアリの活動を活発にするため、重要な指標となります。
新築時に行われた防蟻処理の効果は、一般的に5年から10年で切れるとされています。
そのため、20年経過した時点では、防蟻効果はほとんど期待できない状態です。
点検の結果、シロアリの被害が確認された場合はもちろん、被害が見られなかった場合でも、予防的な観点から防蟻処理(薬剤の散布やベイト工法など)の実施が強く推奨されます。
この防蟻処理も、保証延長のための必須工事に含まれることが多いです。
見えない部分だからこそ、専門家による定期的な点検と適切な予防措置が、住まいを長持ちさせる秘訣となります。
床下の健全性を保つことは、安心して暮らすための基礎であると認識し、必要な対策を講じましょう。
ベランダや窓回りのシーリング劣化
外壁や屋根といった大きな部分だけでなく、ベランダや窓回りなどの細部の劣化も、ヘーベルハウスの20年点検内容では見逃せない重要なチェックポイントです。
これらの箇所は、雨水の浸入経路になりやすく、放置すると建物の内部にまでダメージを及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
特に重要なのが、シーリング(コーキング)材の劣化です。
シーリングは、外壁パネルの目地だけでなく、窓サッシの周りや、ベランダの手すりの根元、換気フードの周りなど、建物と部材の隙間を埋めるために様々な場所で使用されています。
このシーリングが水の浸入を防ぐ最後の砦となっているのです。
しかし、シーリング材は紫外線や温度変化の影響で、時間とともに弾力性を失い、硬化していきます。
劣化が進行すると、以下のような症状が現れます。
- ひび割れ(クラック): シーリングの表面に細かいひびが入ります。
- 肉痩せ: シーリング材が収縮し、細くなって隙間ができます。
- 剥離: シーリング材がサッシや外壁から剥がれ、隙間ができてしまいます。
これらの症状を放置すると、その隙間から雨水が壁の内部に浸入してしまいます。
壁の内部に水が入ると、断熱材が濡れて性能が低下したり、内部の結露やカビの原因になったり、さらには構造体である鉄骨フレームの錆につながる可能性もゼロではありません。
20年という年月が経過すれば、ほとんどのシーリング材は何らかの形で劣化していると考えられます。
そのため、20年点検では、外壁全体のシーリング打ち替えと合わせて、窓回りなどの細かな部分のシーリングの状態も厳しくチェックされ、補修が提案されることが一般的です。
また、ベランダやバルコニーも雨漏りの原因となりやすい場所です。
床面の防水層の劣化はもちろんのこと、壁との接合部分や、排水口周りの状態、手すり壁の笠木(最上部に被せてある部材)の部分など、水の浸入経路となりうる箇所は多岐にわたります。
特に、ベランダの床防水は、屋根の防水と同様に保証延長の必須工事に指定されることが多い重要なメンテナンス項目です。
「たかがシーリング」と侮ってはいけません。
建物の防水性能は、このような細部の丁寧な仕事によって支えられています。
20年点検を機に、建物全体のシーリングを見直し、適切なメンテナンスを行うことが、住まいの健康を長期にわたって維持するために不可欠です。
給湯器など住宅設備の交換時期

ヘーベルハウスの20年点検は、建物の構造や防水性能だけでなく、日々の暮らしに欠かせない住宅設備のチェックも含まれます。
特に、給湯器や換気システムといった設備は、20年も使用していると寿命を迎え、交換が必要になるケースがほとんどです。
建物のメンテナンスと合わせて、設備の更新計画も立てておくことが重要になります。
最も代表的なのが給湯器です。
ガス給湯器やエコキュートなどの寿命は、一般的に10年から15年とされています。
20年間、一度も交換していない場合は、いつ故障してもおかしくない状態と言えるでしょう。
点検で指摘されやすい症状としては、お湯の温度が不安定になる、運転音が大きくなる、エラー表示が頻繁に出るといったものがあります。
たとえ点検時に正常に作動していても、耐用年数を大幅に超えているため、予防的な観点から交換が強く推奨されます。
冬場に突然お湯が出なくなるといったトラブルは、生活に大きな支障をきたします。
そうした事態を避けるためにも、20年点検は給湯器を交換する絶好のタイミングと言えます。
最新の給湯器は省エネ性能が向上しているため、交換することで月々の光熱費を削減できるというメリットもあります。
次に、24時間換気システムもチェックが必要です。
2003年の建築基準法改正により設置が義務化されたため、築20年のヘーベルハウスには標準的に装備されています。
換気扇本体のモーターの寿命も約15年前後と言われており、異音がしたり、換気量が落ちてきたりといった不具合が出始める時期です。
フィルターの清掃を定期的に行っていても、本体内部の汚れやモーターの劣化は避けられません。
室内の空気をクリーンに保ち、結露やカビを防ぐという重要な役割を担っているため、換気システムの機能低下は住環境の悪化に直結します。
点検で異常が指摘された場合は、速やかに本体の交換を検討すべきでしょう。
その他にも、インターホンや火災報知器、浴室暖房乾燥機なども、20年も経てば寿命を迎える設備です。
これらの設備は、建物の保証とは直接関係がないため、オーナー自身の判断で交換時期を決めることになります。
しかし、20年点検で外壁塗装などのために足場を組む場合、その足場を利用してエアコンの配管カバーを交換したり、高所にある換気フードを清掃・交換したりすると、効率的かつ経済的です。
建物の大規模修繕という機会を活かして、住宅設備全体の見直しを行い、今後10年、20年と安心して暮らせる環境を整えることが、賢明なメンテナンス計画と言えるでしょう。
ヘーベルハウスの20年点検内容を理解し計画的な維持管理を
これまで見てきたように、ヘーベルハウスの20年点検内容は、建物の外壁や屋根といった大規模な修繕から、床下のシロアリ対策、そして給湯器などの設備交換まで、非常に多岐にわたります。
これらの点検とそれに伴うメンテナンスは、単なる「修理」ではなく、大切な住まいの性能を維持し、資産価値を守り、そして何よりも家族が安全・快適に暮らし続けるための「未来への投資」と言えるでしょう。
20年点検を成功させるための鍵は、事前の準備と正しい知識を持つことです。
点検が近づいてきたら、まずこの記事で解説したような点検項目や指摘されやすい劣化箇所を念頭に置き、自宅のどのような点が気になるかを自分なりにリストアップしておくことをお勧めします。
そうすることで、点検当日に担当者へ的確な質問ができ、説明への理解度も深まります。
また、費用についても漠然と不安に思うのではなく、外壁塗装や防水工事には百万円単位の費用がかかる可能性があることを事前に認識し、資金計画を立てておくことが大切です。
すぐに全額を準備するのが難しい場合でも、リフォームローンの利用など、様々な選択肢があります。
点検時に提案された工事内容については、その必要性や効果、そして費用について、納得がいくまで説明を求めましょう。
なぜこの工事が必要なのか、他の選択肢はないのか、保証を延長するためにはどこまでが必須工事なのか、といった点をクリアにすることが、後悔のないメンテナンスにつながります。
そして、20年点検はゴールではありません。
むしろ、これからの20年、30年と住み続けていくための新たなスタート地点です。
この点検を機に、我が家の「健康状態」を正確に把握し、長期的な視点に立った維持管理計画を立てることが重要になります。
ヘーベルハウスという優れた住まいの性能を最大限に引き出し、長く愛着を持って住み続けるために、20年点検というプロの診断機会を最大限に活用してください。
計画的な維持管理こそが、結果的にコストを抑え、住まいの価値を高める最も確実な方法なのです。
- ➤ヘーベルハウスの20年点検は建物の状態を確認する重要な機会
- ➤点検自体は基本的に無料だが修理やメンテナンスは有料
- ➤外壁塗装や屋根防水工事で数百万円の費用がかかることも
- ➤点検項目は外壁・屋根・床下・内装・設備など多岐にわたる
- ➤点検を無視すると建物の長期保証が失効するリスクがある
- ➤保証を延長するにはメーカー指定の有料メンテナンスが条件
- ➤20年経過すると外壁のチョーキングやひび割れが起こりやすい
- ➤外壁塗装は美観回復と防水性能向上のために不可欠
- ➤陸屋根は防水シートの劣化が進み雨漏りの危険性が高まる
- ➤屋根の防水工事は保証延長の必須項目になることが多い
- ➤鉄骨造でも床下のシロアリ対策は重要で予防処理が推奨される
- ➤窓回りやベランダのシーリング劣化は雨水浸入の原因となる
- ➤給湯器や換気扇などの住宅設備も20年で寿命を迎える
- ➤点検は次の30年点検に向けた長期メンテナンス計画の起点
- ➤ヘーベルハウスの20年点検内容を正しく理解し計画的に備えることが重要
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