ヘーベルハウスのベタ基礎は誤解?布基礎との違いや耐震性を解説

B!

ヘーベルハウスのベタ基礎に関心をお持ちで、その詳細を知りたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

頑丈な家というイメージが強いヘーベルハウスですが、その強さを支える基礎部分については、意外と知られていない情報も少なくありません。

インターネットで情報を集める中で、ヘーベルハウスのベタ基礎に関する様々な情報に触れ、耐震性や構造、さらには価格やデメリットについて疑問を感じているかもしれません。

また、布基礎との違いや、重量鉄骨の構造をどのように支えているのか、専門的な内容に戸惑うこともあるでしょう。

もしかすると、欠陥や通気口からの湿気といったネガティブな情報に触れ、不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では、そうした疑問や不安を解消するために、ヘーベルハウスの基礎について、網羅的かつ分かりやすく解説していきます。

この記事を最後までお読みいただくことで、ヘーベルハウスの基礎がなぜその仕様になっているのか、そしてそれが住まいにどのような影響を与えるのかを深く理解できるはずです。

この記事でわかること
  • ➤ヘーベルハウスの標準的な基礎はベタ基礎ではなく連続布基礎であること
  • ➤なぜ連続布基礎が重量鉄骨構造に適しているのかという理由
  • ➤ベタ基礎と布基礎の構造的な違いとそれぞれのメリット・デメリット
  • ➤基礎工事に関わる価格や費用の考え方
  • ➤一体打ち工法などの最新技術がもたらす品質向上の効果
  • ➤床下浸水や湿気、シロアリに対するヘーベルハウスの対策
  • ➤基礎に関する潜在的な欠陥のリスクと品質管理体制
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ヘーベルハウスのベタ基礎が持つ優れた耐震性とは

この章のポイント
  • ➤標準仕様は連続布基礎という事実
  • ➤重量鉄骨を支えるための基礎構造
  • ➤近年増えている一体打ちの採用
  • ➤基礎工事の価格に関する注意点
  • ➤床下浸水のリスクと防湿シートの役割

標準仕様は連続布基礎という事実

ヘーベルハウスのベタ基礎について調べている多くの方が、まず最初に知るべき重要な事実があります。

それは、ヘーベルハウスの標準仕様の基礎は「ベタ基礎」ではなく、「連続布基礎」であるということです。

この事実は、ヘーベルハウスの家づくりにおける哲学と技術的な選択を理解する上で非常に重要なポイントとなります。

一般的に、木造住宅では地面全体をコンクリートで覆うベタ基礎が主流となっており、そのイメージからヘーベルハウスも同様だと考える方が多いようです。

しかし、ヘーベルハウスは独自の重量鉄骨構造を採用しており、その構造に最も適した基礎として連続布基礎を選択しています。

連続布基礎とは、建物の壁下に沿って連続的に鉄筋コンクリートの基礎を設ける形式です。

地面全体を覆うのではなく、主要な構造部分を線で支えるイメージに近いでしょう。

ヘーベルハウスが連続布基礎を採用する最大の理由は、建物の重量を効率的かつ確実に地盤に伝えるためです。

重量鉄骨の柱が立つ直下に強力な基礎を配置することで、巨大な荷重をピンポイントで支え、安定した構造体を実現しているのです。

この選択は、耐震性という観点からも極めて合理的と言えます。

地震の揺れは、建物全体に複雑な力を加えますが、その力をスムーズに地盤へ逃がすことができなければ、建物は損傷してしまいます。

ヘーベルハウスの連続布基礎は、鉄骨のしなやかな動きに追従し、地震エネルギーを効果的に地中へ分散させる設計となっているのです。

もちろん、地面が露出する部分には防湿シートやコンクリートが打設され、湿気対策も万全に行われます。

したがって、ヘーベルハウスのベタ基礎というキーワードで検索された方も、まずはこの標準仕様が連続布基礎であるという点を理解することが、正しい知識を得るための第一歩となるでしょう。

重量鉄骨を支えるための基礎構造

ヘーベルハウスの最大の特徴の一つは、その強靭な重量鉄骨構造にあります。

一般的な木造住宅や軽量鉄骨住宅とは比較にならないほどの重量を持つこの構造体を、長期間にわたって安定して支え続けるためには、非常に強固な基礎が不可欠です。

ここで、前述した連続布基礎がなぜ最適なのか、その理由がさらに明確になります。

重量鉄骨構造では、建物の荷重は柱に集中します。

特にヘーベルハウスのようなラーメン構造の場合、柱と梁が剛接合されており、その柱の根本には非常に大きな力がかかります。

連続布基礎は、この柱の直下に分厚いフーチング(基礎の底辺部分)を設けることで、集中する荷重を広い面積で受け止め、地盤に均等に伝える役割を果たします。

もしこれをベタ基礎で行うと、床面全体を分厚くする必要があり、コストが大幅に増加するだけでなく、コンクリートの自重も過大になってしまいます。

つまり、重量鉄骨の力を受け止めるという点において、連続布基礎は非常に効率的で合理的な構造なのです。

さらに、ヘーベルハウスの基礎は、単にコンクリートを打設するだけではありません。

内部には複雑に組まれた鉄筋が配置されており、これがコンクリートの圧縮に強いという特性と、鉄筋の引っ張りに強いという特性を組み合わせ、極めて高い強度を生み出します。

特に、柱の直下やコーナー部分など、力が集中する箇所には、鉄筋が密に配置され、構造計算に基づいて補強がなされています。

この緻密な設計こそが、地震の際に発生する巨大な引き抜き力やせん断力に対抗し、建物の倒壊を防ぐための重要な要素となるのです。

ヘーベルハウスの基礎を見る機会があれば、その配筋の太さや密度に驚くことでしょう。

それはまさに、重量鉄骨という鎧を支えるための、屈強な骨格そのものと言えるでしょう。

 

近年増えている一体打ちの採用

ヘーベルハウスの基礎工事において、近年注目されているのが「一体打ち」という工法です。

これは、基礎の品質と耐久性をさらに向上させるための重要な技術と言えるでしょう。

従来、基礎工事は、まず底盤となる部分のコンクリートを打ち、それが硬化してから立ち上がり部分の型枠を組んで再度コンクリートを打つ、という二度に分けて施工されるのが一般的でした。

この方法では、先に打ったコンクリートと後から打ったコンクリートの間に「打ち継ぎ」と呼ばれる継ぎ目が生じてしまいます。

この打ち継ぎ部分は、構造的な弱点になったり、水の侵入経路になったりする可能性がゼロではありませんでした。

一方、一体打ち工法は、底盤部分と立ち上がり部分の型枠を一度に組み上げ、そこにコンクリートを一度に流し込む方法です。

この工法を採用することにより、打ち継ぎ部分が存在しない、文字通り一体となった強固な鉄筋コンクリート構造物が完成します。

一体打ちのメリットは多岐にわたります。

  • 構造的強度の向上:継ぎ目がないため、基礎全体が均一な強度を持ち、地震などの外力に対してより強固になります。
  • 防水性の向上:水の侵入経路となり得る打ち継ぎ目がないため、シロアリの侵入リスクや床下への漏水リスクを大幅に低減できます。
  • 工期の短縮:コンクリート打設が一度で済むため、養生期間を含めた全体の工期を短縮できる可能性があります。

ヘーベルハウスがこの一体打ち工法を積極的に採用しているのは、長期にわたる住宅の安全と安心を追求する姿勢の表れと言えるでしょう。

特に、防水性や防蟻性の向上は、住宅の寿命に直結する重要な要素であり、一体打ちはそのための非常に有効な手段です。

もちろん、一体打ち工法は型枠の施工が複雑になるなど、高い技術力が求められます。

しかし、ヘーベルハウスは厳格な施工管理体制のもとでこの工法を実践し、より高品質な基礎を提供しているのです。

これからヘーベルハウスを検討する方は、基礎の工法として一体打ちが採用されているかを確認してみるのも良いかもしれません。

基礎工事の価格に関する注意点

住宅を建てる上で、基礎工事の価格は総費用の中でも重要な要素を占めます。

ヘーベルハウスのベタ基礎、正確には連続布基礎について考える際も、その価格について正しく理解しておくことが大切です。

まず、大前提として、ヘーベルハウスの基礎工事費用は、一般的な木造住宅と比較して高くなる傾向にあります。

これには明確な理由がいくつか存在します。

建物の重量

最大の理由は、前述の通り、建物本体が重量鉄骨構造であるためです。

重い建物を支えるためには、基礎の幅や深さ、鉄筋の量、コンクリートの強度など、あらゆる面でより頑丈な設計が求められます。

使用する資材の量が増え、施工の手間もかかるため、価格は自然と上昇します。

地盤改良工事の必要性

ヘーベルハウスは、その重量ゆえに、建設地の地盤に対しても高いレベルの強度が要求されます。

建築前に行われる地盤調査の結果、地盤が軟弱であると判断された場合には、地盤改良工事が必要不可欠となります。

この地盤改良工事の費用は、土地の状況によって大きく異なり、時には数百万円単位の追加費用が発生することもあります。

これはヘーベルハウスに限った話ではありませんが、建物が重い分、地盤改良が必要となるケースは比較的多いと言えるかもしれません。

設計の自由度

ヘーベルハウスは設計の自由度が高いことも特徴ですが、複雑な間取りや大きな窓などを採用した場合、それに合わせて基礎の設計も複雑になります。

特定の場所に荷重が集中するような設計では、その部分の基礎を特に補強する必要があるため、価格が変動する要因となります。

見積もりを確認する際には、基礎工事の項目に何が含まれているのかを詳細に確認することが重要です。

本体工事費に含まれているのか、別途費用として計上されているのか、また、地盤改良工事が必要となった場合の費用についても、事前に担当者と十分に話し合っておくべきでしょう。

価格が高いと感じるかもしれませんが、それは長期にわたる安全性と耐久性を確保するための投資であると考えることができます。

見えない部分だからこそ、その品質と価格のバランスをしっかりと見極める必要があります。

床下浸水のリスクと防湿シートの役割

布基礎と聞くと、床下が地面と接しているため、「湿気は大丈夫なのか」「大雨の際に床下浸水しないのか」といった不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。

特に、地面全体をコンクリートで覆うベタ基礎と比較すると、その懸念は大きくなりがちです。

しかし、ヘーベルハウスでは、これらのリスクに対して多重の対策を講じています。

まず、湿気対策の要となるのが「防湿シート」と「押さえコンクリート」です。

ヘーベルハウスの連続布基礎では、基礎の内側の地面を平らにならした後、厚手の防湿シートを隙間なく敷き詰めます。

このシートが、地面から上がってくる湿気を物理的にシャットアウトする第一の防衛ラインとなります。

さらに、その防湿シートの上から全面にコンクリートを打設します。

これは構造的な強度を持つものではありませんが、防湿シートを保護し、湿気をさらに抑制する役割を果たします。

これにより、床下の地面は完全に密封され、湿気が室内に影響を与えることを防ぎます。

次 Bに、床下浸水のリスクについては、基礎の高さ(GL、つまり地面からの高さ)が重要なポイントとなります。

ヘーベルハウスの基礎は、一般的な住宅と比較して高く設計されているのが特徴です。

これにより、ゲリラ豪雨などの際に一時的に敷地が冠水したとしても、床下へ水が浸入するリスクを大幅に低減させています。

万が一、床下空間に水が浸入した場合でも、布基礎は水が溜まりにくい構造であるという側面も持っています。

ベタ基礎の場合、一度浸水するとプールのように水が溜まり、排水が困難になることがありますが、布基礎の場合は比較的排水しやすいという利点があります。

また、ヘーベルハウスでは、基礎と一体化したコンクリート製の床(ALCコンクリート)を採用しているため、床下からの湿気が直接居住空間に影響を与えることはありません。

これらの複合的な対策により、ヘーベルハウスの連続布基礎は、ベタ基礎と比較しても遜色のない、あるいはそれ以上の防湿性能と耐水性能を確保しているのです。

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ヘーベルハウスのベタ基礎におけるデメリットと対策

この章のポイント
  • ➤基礎に欠陥が起きる可能性
  • ➤床下の通気口と湿気の問題
  • ➤ベタ基礎と布基礎の比較と違い
  • ➤シロアリ対策としてのデメリット
  • ➤ヘーベルハウスのベタ基礎に関する総括

基礎に欠陥が起きる可能性

どれほど優れた設計や工法であっても、それが人の手によって施工される以上、欠陥が発生する可能性はゼロにはなりません。

ヘーベルハウスの基礎においても、そのリスクについて正しく理解し、どのような対策が取られているかを知ることは重要です。

基礎工事で起こりうる欠陥としては、以下のようなものが考えられます。

  1. ジャンカ:コンクリートが型枠の隅々まで行き渡らず、砂利などが表面に現れてしまう現象。強度不足や水の侵入経路となる可能性があります。
  2. コールドジョイント:コンクリートを打ち重ねる際に、先に打ったコンクリートが硬化し始めてしまい、一体化しない部分ができてしまうこと。一体打ちでない場合に発生リスクがあります。
  3. かぶり厚不足:鉄筋を覆うコンクリートの厚み(かぶり厚)が設計通りに確保されていない状態。鉄筋が錆びやすくなり、基礎の耐久性を著しく低下させます。
  4. ひび割れ(クラック):コンクリートの乾燥収縮や、施工不良によって発生するひび割れ。構造的に問題のないヘアークラックから、補修が必要な構造クラックまで様々です。

これらの欠陥は、住宅の耐震性や耐久性に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

では、ヘーベルハウスでは、こうした欠陥を防ぐためにどのような対策を講じているのでしょうか。

最も重要なのは、徹底した品質管理体制です。

ヘーベルハウスの建築現場では、基礎工事の各工程で専門の検査員による厳しいチェックが行われます。

例えば、鉄筋が正しく組まれているかを確認する「配筋検査」や、型枠の設置状況、コンクリートの品質など、多岐にわたる項目が検査対象となります。

これらの検査は、第三者機関の検査員も交えて行われることがあり、客観性と信頼性を高めています。

また、施工を担うのは、旭化成ホームズが認定した専門の協力会社の職人たちです。

彼らはヘーベルハウスの仕様や施工基準に関する専門的な研修を受けており、高い技術力を持っています。

万が一、引き渡し後に欠陥が発見された場合でも、ヘーベルハウスは長期保証制度を設けています。

基礎を含む構造躯体については、数十年にわたる保証が提供されており、定期的な点検とメンテナンスを通じて、住宅の資産価値を維持する体制が整っています。

欠陥のリスクを完全にゼロにすることは困難ですが、そのリスクを最小限に抑えるための品質管理と、万が一の事態に備えた手厚い保証制度が、ヘーベルハウスの信頼性を支えていると言えるでしょう。

床下の通気口と湿気の問題

かつての日本の住宅では、床下の湿気を排出するために、基礎に「通気口」を設けるのが一般的でした。

しかし、この通気口は、湿気を排出する一方で、いくつかのデメリットも抱えていました。

例えば、冬場には冷たい外気が床下に入り込み、床からの底冷えの原因となることがありました。

また、通気口の金網が破れると、そこから害虫や小動物が侵入するリスクもありました。

そして、最も重要な点として、通気口だけでは必ずしも床下全体の換気が十分に行えるわけではなく、隅の方では空気がよどみ、湿気が溜まってしまうという問題もありました。

こうした背景から、現在の建築基準では、より効果的な床下換気の方法として「基礎パッキン工法」が主流となっています。

これは、基礎の立ち上がり部分と、その上に乗る土台との間に、特殊な樹脂製のパッキンを挟み込む工法です。

このパッキンには無数のスリットが開いており、基礎の全周にわたって隙間ができるため、床下全体の空気がよどみなく換気される仕組みです。

ヘーベルハウスでも、この基礎パッキン工法を標準的に採用しています。

これにより、従来の通気口が抱えていたデメリットを解消し、より効率的で安定した床下環境を実現しています。

基礎パッキン工法の採用により、床下の隅々まで空気が行き渡り、湿気がこもるのを防ぎます。

これにより、カビの発生や木材の腐朽を防ぎ、建物の耐久性を高める効果が期待できます。

また、基礎に物理的な開口部を設ける必要がないため、基礎自体の強度を損なうことがなく、耐震性の観点からも有利です。

さらに、冷気の侵入も緩和されるため、省エネ性能の向上にも寄与します。

ヘーベルハウスのベタ基礎、すなわち連続布基礎について考える際には、こうした床下換気の仕組みにも目を向けることが重要です。

防湿シートや押さえコンクリートによる地面からの湿気の遮断と、基礎パッキン工法による効率的な換気。

この二つの組み合わせによって、ヘーベルハウスの床下は常に健全な状態に保たれているのです。

ベタ基礎と布基礎の比較と違い

ここまでヘーベルハウスが採用する連続布基礎を中心に解説してきましたが、改めて一般的な「ベタ基礎」と「布基礎」の違いを比較し、それぞれの特徴を整理してみましょう。

どちらの基礎が優れている、劣っているということではなく、建物の構造や地盤の状況によって最適な選択が異なるということを理解することが重要です。

以下に、主要な項目で両者を比較した表を示します。

項目 ベタ基礎 布基礎(連続布基礎)
構造 建物の底面全体を鉄筋コンクリートで覆う。「面」で建物を支える構造。 建物の壁や柱の下に沿って鉄筋コンクリートを配置する。「線」で建物を支える構造。
得意な地盤 地盤が比較的軟弱な場合でも、荷重を分散させやすいため有利。 比較的良好な地盤に適している。軟弱地盤の場合は杭などの補強が必要。
適した建物構造 木造軸組工法など、荷重が比較的分散する建物。 重量鉄骨造など、柱に荷重が集中する建物。
シロアリ対策 地面がコンクリートで覆われるため、シロアリの侵入経路が少なく、対策しやすい。 地面が露出する部分があり、防湿シートの施工などが重要になる。打ち継ぎ部分がリスクになることも。
湿気対策 地面からの湿気を防ぎやすい。床下空間の容積は小さめ。 防湿シートと押さえコンクリートが必須。床下空間の換気が重要。
コスト 使用する鉄筋やコンクリートの量が多くなるため、一般的に高価になる傾向。 ベタ基礎に比べて、資材量を抑えられるため、コスト面で有利になる場合がある。
耐震性 面全体で揺れを受け止める。剛性が高い。 建物の揺れに追従しやすい。ヘーベルハウスのように建物と一体で設計されることで高い耐震性を発揮。

この表からわかるように、ベタ基礎は面で支える安定感と、防湿・防蟻性の高さがメリットです。

一方で、布基礎はコスト面での利点や、重量鉄骨のように荷重が集中する構造への適合性が高いというメリットがあります。

ヘーベルハウスが連続布基礎を選択しているのは、自社の重量鉄骨構造の特性を最大限に活かし、最も合理的かつ高い耐震性を実現するための結論であると言えます。

もしヘーベルハウスがベタ基礎を採用すれば、過剰なコストがかかる上に、必ずしも性能が向上するとは限りません。

住宅の基礎について検討する際は、単に「ベタ基礎だから安心」「布基礎は不安」といった単純な二元論で判断するのではなく、その住宅の構造全体とのバランスの中で、なぜその基礎が選ばれているのかを理解することが、本質的な価値を見極める上で不可欠なのです。

シロアリ対策としてのデメリット

基礎の種類を考える上で、シロアリ対策は避けては通れない重要なテーマです。

一般的に、地面をコンクリートで完全に覆うベタ基礎の方が、布基礎よりもシロアリに強いというイメージがあります。

これは、シロアリが地面から侵入する経路を物理的に遮断しやすいという理由からです。

では、布基礎を採用しているヘーベルハウスは、シロアリ対策においてデメリットを抱えているのでしょうか。

確かに、布基礎は構造上、地面と建物が近くなる部分が存在するため、対策を怠ればリスクが高まる可能性があります。

特に、コンクリートの打ち継ぎ部分や、配管が基礎を貫通する部分などは、シロアリの侵入経路になりやすい箇所として知られています。

しかし、ヘーベルハウスでは、これらのリスクを熟知した上で、多角的なシロアリ対策を標準で実施しています。

薬剤による土壌処理

まず、基礎工事の段階で、建物の外周部や床下の土壌に、長期的に効果が持続する防蟻薬剤を散布します。

これにより、シロアリが建物に近づくことを防ぐ「バリア層」を形成します。

基礎構造による物理的防除

ヘーベルハウスの基礎は高く設計されており、地面から土台までの距離が確保されています。

これにより、シロアリが侵入する際に作る「蟻道(ぎどう)」を発見しやすくなります。

また、近年採用が進む一体打ち工法は、シロアリの侵入経路となりやすい打ち継ぎ目をなくすため、非常に効果的な対策と言えます。

防蟻仕様の建材

土台と基礎の間には、防蟻成分を含んだ基礎パッキンを使用するなど、建材レベルでの対策も行われています。

さらに、ヘーベルハウスの構造体は鉄骨であり、シロアリの食害を直接受けることはありません。

もちろん、床材や内装材には木材も使用されていますが、主要な構造体が被害を受けないという点は、大きな安心材料と言えるでしょう。

これらの対策に加えて、ヘーベルハウスでは長期保証プログラムの一環として、定期的な防蟻点検とメンテナンスが提供されています。

これにより、万が一の事態にも早期に対応することが可能です。

結論として、布基礎であること自体がシロアリ対策上の決定的なデメリットになるわけではありません。

重要なのは、その構造の特性を理解し、適切な予防策とメンテナンスを継続的に行うことであり、ヘーベルハウスはその体制を確立していると言えるでしょう。

ヘーベルハウスのベタ基礎に関する総括

この記事では、ヘーベルハウスのベタ基礎というキーワードを軸に、その基礎構造の真実と特徴について深く掘り下げてきました。

最後に、全体の要点を整理し、総括としたいと思います。

多くの方が抱く「ヘーベルハウスはベタ基礎」というイメージは、実際には異なり、標準仕様は「連続布基礎」です。

この選択は、単なるコスト削減や慣習によるものではなく、ヘーベルハウスの根幹をなす重量鉄骨構造の性能を最大限に引き出すための、技術的かつ合理的な結論なのです。

重量鉄骨の柱から伝わる巨大な荷重を、ピンポイントで確実に地盤へ伝える連続布基礎は、高い耐震性を実現するための最適なパートナーと言えます。

一方で、布基礎が持つとされる湿気やシロアリへの懸念に対しては、防湿シートと押さえコンクリートによる地面の遮断、基礎パッキン工法による効率的な床下換気、そして多重の防蟻処理と長期的なメンテナンス体制によって、徹底的に対策が講じられています。

近年では、一体打ち工法の採用により、基礎の構造的強度と防水性をさらに高めるなど、技術的な進化も止まることはありません。

もちろん、その頑丈さゆえに、基礎工事の価格は高くなる傾向にあり、地盤の状態によっては地盤改良工事が必要となることもあります。

しかし、それは見えない部分で住宅の安全と寿命を支えるための、最も重要な投資であると考えるべきでしょう。

ヘーベルハウスのベタ基礎について検討するということは、単に基礎の形式を比較するのではなく、その住宅全体の構造哲学を理解するプロセスでもあります。

なぜその基礎が選ばれ、どのような技術で支えられているのか。

その背景を知ることで、カタログのスペックだけでは見えてこない、ヘーベルハウスという住宅の本質的な価値を判断する手助けとなるはずです。

これから家づくりを考えるすべての方にとって、本記事で得られた知識が、後悔のない選択をするための一助となれば幸いです。

この記事のまとめ
  • ➤ヘーベルハウスの標準基礎はベタ基礎ではなく連続布基礎
  • ➤連続布基礎は重量鉄骨構造の集中荷重に適した形式
  • ➤高い耐震性は建物と基礎が一体で設計されることで実現
  • ➤基礎の高さや構造で地震のエネルギーを地盤へ逃がす
  • ➤床下の湿気対策として防湿シートと押さえコンクリートを施工
  • ➤床下換気は基礎パッキン工法で効率的に行うのが現代の主流
  • ➤一体打ち工法の採用で構造強度と防水性が向上
  • ➤基礎工事の価格は重量鉄骨を支えるため高くなる傾向
  • ➤地盤の状況により地盤改良工事の追加費用が必要な場合がある
  • ➤基礎の欠陥を防ぐため厳格な品質管理と検査体制が敷かれている
  • ➤布基礎はベタ基礎に比べシロアリ対策が重要となる
  • ➤土壌処理や防蟻建材など多重のシロアリ対策を実施
  • ➤構造体が鉄骨のためシロアリによる直接的な食害はない
  • ➤基礎の選択はその住宅の構造思想を反映した結果である
  • ➤ヘーベルハウスのベタ基礎という疑問は布基礎の理解から解決する
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