ファミリークローゼットの間取り完全ガイド|動線・形状・配置パターンで失敗しない

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SNSで「ファミリークローゼットのある家」を検索すると、どれも見映えのする写真が並びます。

ただ、実際にリサーチを進めていくと、玄関の近くにあるもの、洗面所と一体になっているもの、2階にぽつんとあるものなど、配置がまるで違うことに気づきます。

「ファミリークローゼットが欲しい」という要望だけで打ち合わせに臨むと、提案される間取りが会社によって全然違って、何を基準に選べばいいのか分からなくなる方が多いようです。

動線のタイプ、収納の形状、設置する場所。この3つの組み合わせで、使い勝手が大きく変わってくるというのが、私がリサーチを重ねて見えてきた結論です。

同じ「ファミリークローゼット」という名前でも、実際に出来上がる空間はまったく別物になります。

それぞれのパターンがどんな暮らしに向いているのか、住宅リサーチャーの視点から順番に整理していきます。

この記事でわかること
  • ファミリークローゼットの2つの動線タイプ
  • 収納形状I型・II型・L型・U型の特徴
  • 設置場所別の間取りパターン3選
  • 収納するものと広さの決め方

ファミリークローゼットの2つの動線タイプ

この章のポイント
  • ウォークインタイプは収納量を重視
  • ウォークスルータイプは動線を重視
  • どちらを選ぶかは優先順位で決まる

ウォークインタイプは収納量を重視

ウォークインタイプは出入口が1ヶ所で、クローゼットを一つの部屋として使用するタイプです。

同じ面積で比較すると、出入口が少ない分、ウォークスルータイプより収納量を多く確保できます。

出入口のドアを鍵付きにすれば、着替え場所としても使えるという利点があります。

収納力を重視したい方や、クローゼット内で着替えを完結させたい方に向いているタイプです。

ウォークスルータイプは動線を重視

ウォークスルータイプは出入口が2ヶ所以上あり、クローゼット内部を通路のように通り抜けられるタイプです。

寝室と洗面室の間に設置するなど、生活動線をスムーズにできる点が最大の魅力です。

朝食後にクローゼット内で身支度を整え、そのまま玄関へ向かうといった、通り抜けながら用事を済ませる動線が作れます。

実際にこのタイプを選んだ施主の声を見ても、「朝の時短効果は想像以上だった」という感想が目立ちます。

収納量はウォークインタイプに劣りますが、生活動線の短縮を優先したい方にはこちらが向いています。

どちらを選ぶかは優先順位で決まる

「収納量」と「動線の短縮」は、どちらも欲しくなる要素ですが、同じ面積では両方を完全に満たすことは難しいというのが、リサーチを通して見えてきた現実です。

家族の人数や持ち物の量、普段の生活パターンを具体的に思い出しながら、どちらを優先するかを決めることが第一歩になります。

「収納が足りないと困る」という不安が強い場合はウォークインタイプ、「毎日の移動を減らしたい」という思いが強い場合はウォークスルータイプを軸に検討することをすすめます。

鍵付きドアという選択肢も検討する

ウォークインタイプの場合、出入口のドアに鍵を付けるという選択肢があります。

クローゼット内で着替えを完結させたい方や、貴重品を含めて収納したい方には、この鍵付きドアが安心材料になります。

一方でウォークスルータイプは通り抜けが前提のため、鍵をかけて個室のように使うことは基本的にできません。

プライバシーをどこまで求めるかも、タイプを選ぶ際の判断材料に加えておくとよいでしょう。

2つの動線タイプがわかりました。

では収納の形状にはどんな種類があるのか見ていきます。

ファミリークローゼットの収納形状・I型・II型・L型・U型の特徴

この章のポイント
  • I型・II型は省スペースから収納量重視まで
  • L型・U型はさらに収納量を増やせる
  • 形状は間取りの広さによって制約される

I型・II型は省スペースから収納量重視まで

I型は片側の壁だけに収納棚やハンガーパイプを設置するタイプです。

収納を1列にまとめられるため、広いスペースを確保する必要がありませんが、衣類や荷物が多い世帯にはやや不向きとされています。

II型は向き合う2つの壁に収納棚を設けるタイプで、I型よりも広いスペースが必要になりますが、収納力は高まります。

限られた面積でまず試したいならI型、もう少し余裕があるならII型という選び方が分かりやすい基準になります。

L型・U型はさらに収納量を増やせる

L型は2辺の収納棚をL字に配置するタイプ、U型はU字のように3辺に収納棚を設けるタイプです。

より多くの収納量を確保できる分、必要なスペースも大きくなります。

家族の人数が多い、季節家電やスーツケースなど大型のアイテムも収納したいという場合は、L型やU型のような収納力重視の形状を検討する価値があります。

形状を決める前に、何を収納したいかを具体的にリストアップしておくと、必要な面積の見積もりがしやすくなります。

私自身、このリストアップを後回しにして打ち合わせに臨んだ施主の話を聞いたことがありますが、結局その場で決めきれず、後日仕切り直しになっていました。

形状は間取りの広さによって制約される

どの形状を選ぶかによって、必要なスペースの広さは大きく変わります。

間取り全体の広さによって設置できる形状にも制約が出てくるため、希望する形状を実現できるかどうかは、設計の早い段階で確認しておく必要があります。

「U型にしたい」と決めてから間取り全体を調整するのではなく、家全体のバランスを見ながら無理のない形状を選ぶという視点も重要です。

廊下をクローゼットに変えるという工夫

まとまったスペースを確保できない場合、廊下をファミリークローゼットとして活用するという方法もあります。

普通は部屋の内側に向けて設置するクローゼットを、廊下側に向けるだけで、普段は使われていない廊下のスペースを有効に使えます。

新たに専用の部屋を作る面積がない場合でも、既存の通路スペースを見直すことで、ファミリークローゼットを実現できる可能性があります。

間取り図を見る際は、廊下の幅や長さにも注目してみることをすすめます。

収納形状の違いがわかりました。

では実際にどの場所に設置するのが効果的か、間取りパターンを見ていきます。

ファミリークローゼットの設置場所別・間取りパターン3選

この章のポイント
  • 時短特化型・洗面所やランドリールームに直結
  • 帰宅動線重視型・玄関から洗面へのウォークスルー
  • プライバシー確保型・廊下やホールへの配置

時短特化型・洗面所やランドリールームに直結

サニタリーや洗面所のすぐ横にファミリークローゼットを直結させる間取りは、家事効率を最優先したパターンです。

洗濯物を乾かしてそのまま収納できるため、各部屋へ配る動線がまるごと無くなります。

共働きで時間に追われる家庭や、洗濯を中心とした家事をまとめて短時間で済ませたい方に向いている配置です。

リサーチを進める中でも、この配置を選んだ家庭からは「洗濯から収納までの工程が半分になった」という声をよく見かけます。

帰宅動線重視型・玄関から洗面へのウォークスルー

玄関ホールから直接アクセスできるファミリークローゼットを設け、そのまま洗面室へ抜けられるウォークスルー型の配置もあります。

帰宅後はここで上着やカバンを片付け、手洗い・うがいをしてからリビングへ向かう動線が自然に生まれます。

花粉や外の汚れをリビングに持ち込まず、ソファの上に上着が脱ぎっぱなしになることも防げるという効果があります。

朝の身支度も1階で完結するため、忙しい時間帯の階段移動を減らせる点も見逃せません。

プライバシー確保型・廊下やホールへの配置

個室のクローゼットとは別に、廊下や2階ホールから使えるファミリークローゼットを設けるパターンもあります。

夫婦の大切な衣類や私物は寝室へ、子どもの制服や家族共有の季節用品は廊下のクローゼットへと、収納物を分けて管理できます。

家族間でもある程度のプライバシーを保ちながら、共有の荷物も管理しやすいという特徴があります。

成長した子どもが親の寝室に入ることなく荷物を出し入れできるという、長期的な視点を持った設計でもあります。

2つのファミクロを組み合わせるという発展形

1階と2階、それぞれにファミリークローゼットを設けるという発展的な間取りもあります。

例えば玄関横に帰宅動線用のファミリークローゼットを置き、2階ホールには寝室用の収納としてもう一つを設けるという組み合わせです。

用途に応じて2つを使い分けることで、それぞれの動線パターンのメリットを同時に取り込めるという考え方です。

面積に余裕がある場合は、この組み合わせ型も検討してみる価値があります。

私がリサーチした事例の中にも、当初は1つの予定が、打ち合わせの過程で2つに増えたというケースがいくつかありました。

3つの配置パターンがわかりました。

最後に、収納するものと広さの決め方を見ていきます。

ファミリークローゼットに収納するものと広さの決め方

この章のポイント
  • 収納するものは配置場所によって変わる
  • 季節ごとの使い分けという発想
  • 各部屋の収納を縮小できるという副次効果

収納するものは配置場所によって変わる

玄関の近くなら帽子・コート・バッグなど外出時に使うもの、洗面室の近くなら下着やタオルなど身支度に関するものという具合に、配置場所によって収納するものの傾向が変わります。

配置場所を決める前に「ここでは何をしまいたいか」を具体的に考えておくと、棚やハンガーパイプの設計に活かせます。

扇風機やストーブといった季節家電、スーツケースのような大型アイテムも、十分な広さがあれば収納できます。

季節ごとの使い分けという発想

オフシーズンの衣類やバッグなどをファミリークローゼットで保管し、使うものだけを各部屋にあるクローゼットに移すという、季節ごとの使い分け方法もあります。

家族全員の衣類を1ヶ所にまとめつつ、各部屋には今すぐ使うものだけを置くという考え方です。

「全部を一箇所にまとめる」のではなく「使う頻度で住み分ける」という発想を持つと、ファミリークローゼットの面積を効率的に使えます。

広さの目安は4畳前後から検討する

必要な広さは家族の人数や収納するものの量によって変わりますが、4人家族であれば3畳から4畳程度を目安に検討する例が多く見られます。

1帖前後の一般的なクローゼットを各部屋に作るより、まとめて一つの大きな空間にする方が、面積効率という意味では優れています。

「個別のクローゼットを各部屋に作る場合」と「ファミリークローゼットにまとめる場合」で、必要な総面積を比較してみると、まとめた方が少ない床面積で多くの収納力を確保できるとされています。

間取りの提案を受ける際は、この比較も含めて確認してみることをすすめます。

各部屋の収納を縮小できるという副次効果

家族の衣類をファミリークローゼットにまとめることで、各部屋の収納スペースを縮小し、居住空間を広く使えるようになります。

収納の必要がなくなった分のスペースを、書斎コーナーや趣味の部屋に充てることも可能です。

ファミリークローゼット単体の便利さだけでなく、家全体の面積効率が上がるという視点も持っておくと、間取り全体の満足度につながります。

家事スペースとしても活用できる

ファミリークローゼット内にアイロンがけや洗濯物をたたむといった作業ができるスペースを設けると、家事をする場所とくつろぐ場所を明確に分けられます。

リビングに洗濯物を持ち込んで作業する必要がなくなるため、くつろぎの空間を生活感から守りやすくなります。

収納だけでなく「作業する場所」としての機能も持たせるかどうかは、設計段階で決めておきたいポイントの一つです。

作業スペースを確保する場合は、その分の面積も含めて広さを計算しておくことをすすめます。

まとめ:ファミリークローゼットの間取りは動線・形状・場所の組み合わせで使い勝手が決まる

ファミリークローゼットの使い勝手は、ウォークイン・ウォークスルーという動線タイプ、I型からU型までの収納形状、玄関・洗面・廊下といった設置場所の組み合わせで決まります。

収納量を重視するならウォークインタイプとL型・U型、動線の短縮を重視するならウォークスルータイプという基本の方向性があります。

設置場所は、家事効率を最優先するなら洗面所直結、リビングを片付けたいなら玄関からのウォークスルー、家族間のプライバシーを重視するなら廊下やホールへの配置が向いています。

何を収納したいか、どんな動線で暮らしたいかを具体的にイメージしてから、組み合わせを選ぶことが、後悔しない間取りづくりの基本です。

リサーチを重ねて分かったのは、動線タイプと設置場所は、後から変更することがほぼ不可能な部分だということです。

普段の生活パターンを思い出しながら、家族で一度話し合ってみることをすすめます。

同じ「ファミリークローゼット」という言葉でも、会社によって提案する動線や形状には違いがあります。

実際に複数社のプランを見比べることで、自分たちの暮らしに合った組み合わせが見えてくるはずです。

この記事のまとめ
  • ウォークインタイプは収納量重視・ウォークスルータイプは動線の短縮重視
  • 収納形状はI型・II型・L型・U型の4種類があり面積に応じて選ぶ
  • L型・U型は収納力が高いが、より広いスペースが必要になる
  • 時短特化型は洗面所やランドリールームに直結させ家事効率を最優先する
  • 帰宅動線重視型は玄関から洗面へのウォークスルーでリビングの散らかりを防ぐ
  • プライバシー確保型は廊下やホールに配置し家族間の収納物を分けて管理できる
  • 収納するものは配置場所によって傾向が変わるため事前にリストアップしておく
  • 季節ごとに使うものだけを各部屋に移すという使い分け方法もある
  • 家族の衣類をまとめることで各部屋の収納を縮小し居住空間を広げられる
  • 動線・形状・場所の組み合わせを具体的にイメージしてから複数社のプランを比較する

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