積水ハウスのエアコン工事、量販店で頼むと後悔する？隠蔽配管と費用の真実を徹底解説

「せっかく積水ハウスで家を建てるなら、エアコンの配管も見えないようにスッキリさせたい。でも、提携業者に見積もりを出してもらったら、目が飛び出るほど高かった…」

そんな悩みを抱えて、深夜までスマホで検索を続けていませんか？

「たかがエアコン、量販店で安く買えばいいじゃないか」と最初は軽く考えていたんです。しかし、調べれば調べるほど、積水ハウス特有の「分厚い外壁」や「鉄骨構造」のリスクが見えてきて、怖くなってしまったんですよね。

正直に告白しますと、私はプロの建築家でも営業マンでもありません。ただ、少しでも安く、しかし絶対に失敗したくないという執念で情報を集めまくる、一人の「心配性な施主」に過ぎません。

この記事では、そんな私が足を使って集めた情報と、実際のオーナーたちの声を分析して辿り着いた「積水ハウスのエアコン攻略法」を、包み隠さずシェアします。

これを読めば、あなたが量販店に頼むべきか、それとも高くても積水ハウスに任せるべきか、その迷いが晴れるはずです。

積水ハウスのエアコンとは？

さて、まずは基本中の基本、積水ハウスにおけるエアコンの扱いについて整理しておきましょう。

「高い家を買うんだから、エアコンくらい付いてるでしょ？」なんて思っていると、見積書を見たときに愕然とすることになります。

ここでは、積水ハウスのエアコン事情と、多くの人が迷う全館空調との違いについて、私のリサーチ結果を元にお話しします。

積水ハウスのエアコンは標準装備ではなくオプション扱い

意外かもしれませんが、積水ハウスでは基本的にエアコンは「標準装備」ではありません。キッチンやバスルームとは違い、照明やカーテンと同じく「オプション（別途工事）」という扱いになります。

つまり、何もしなければエアコン用のコンセントと穴（スリーブ）の計画があるだけで、本体は自分たちで手配するか、積水ハウスを通して購入するかを決める必要があります。

これ、地味にショックですよね。

「えっ、全部コミコミじゃないの？」と。

積水ハウスを通して購入する場合、定価に近い価格や、少し割引された価格での提示になりますが、量販店の特売価格と比べるとどうしても割高に感じてしまいます。

しかし、ここで単純に「高いからダメ」と切り捨てるのは早計かもしれません。

なぜなら、彼らは「積水ハウスの家の構造」を熟知しているからです。例えば、どの壁に筋交い（ブレース）が入っているか、どの位置なら外壁のデザインを損なわないか。そういった細かい配慮が含まれた価格だとも言えるのです。

全館空調「スマートイクス」と個別エアコンの違い

最近の積水ハウスといえば、全館空調システム「スマートイクス」を提案されることも多いでしょう。

これは天井裏に埋め込んだ機器で家全体の空気をコントロールし、換気と空調を一体で行うシステムです。壁にエアコンがつかないので、インテリアが驚くほどスッキリします。

モデルハウスで見ると、「うわぁ、ホテルみたい…」とため息が出ますよね。私も憧れました。

しかし、冷静なリサーチャーとしての視点で比較すると、以下のような違いがあります。

どちらが正解というわけではありませんが、「メンテナンスのしやすさ」や「将来的な交換コスト」を重視する現実派の施主さんには、個別エアコンが選ばれる傾向にあります。

積水ハウスでエアコンを導入する3つのルートと費用

エアコンをどう導入するか。これは単なる買い物の話ではなく、ある種の「リスク管理」の話でもあります。

私が調べ回った結果、ルートは大きく分けて3つ。それぞれに明確なメリットと、無視できないデメリットが存在します。

ここでは、それぞれのルートの特徴と、実際のところ費用感はどうなのか、私の独自調査に基づいて解説します。

積水ハウス提携業者に依頼する場合の費用と安心感

これが一番「楽」で「安心」なルートです。積水ハウスのインテリア担当者にお願いして、機種選定から取り付けまで全てお任せするパターンですね。

メリットは、何と言っても「責任の所在が明確」なこと。

万が一、工事中に壁に傷がついたり、水漏れが起きたりしても、窓口は積水ハウス一本です。彼らは家の構造図を持っていますから、絶対に穴を開けてはいけない鉄骨や筋交いを確実に避けて施工してくれます。

ただ、お察しの通り、費用は最も高いです。

あくまで目安ですが、量販店で15万円で売られている機種が、取り付け費込みで25万円〜30万円近くになることもザラにあります。

「安心料としてプラス10万円払えるか？」というのが判断の分かれ目になります。私は正直、この差額を見て冷や汗が出ました…。

エアコンを施主支給して提携業者に取り付けてもらう方法

次に検討したいのが、「モノは自分で安く買って、取り付けだけ積水ハウス提携業者に頼む」という折衷案です。

これを「施主支給」と呼びます。

ネット通販で型落ちの高級機種を底値で手に入れ、工事は信頼できる積水ハウスの業者にお願いする。一見、最強の作戦に見えますよね。

しかし、これには落とし穴があります。

多くの支店で「取り付けのみの工事は受け付けていない」か、受け付けていても「工事費が割高に設定されている」ケースが多いのです。

「他で買った機械の面倒までは見切れないよ」というのが本音なのかもしれません。また、もし不具合が起きた時、「機械のせいなのか、工事のせいなのか」で揉めるリスクがあるため、敬遠される傾向にあります。

もしこのルートを狙うなら、契約前の早い段階で営業担当者に「施主支給での取り付けは可能か？その場合の工事費はいくらか？」を必ず確認してください。

家電量販店やネット通販で購入・設置する場合の最安値リスク

最後が、引き渡し後に家電量販店などで購入し、そのお店の提携業者に取り付けてもらうパターンです。

圧倒的に安いです。これが最大の魅力。

ポイントもつくし、型落ちセール品なら半額以下で買えることもあります。

しかし、ここで積水ハウスならではの「壁」が立ちはだかります。物理的な壁のことです。

積水ハウスの外壁（特にダインコンクリートやベルバーン）は非常に硬く、特殊な厚みがあります。

量販店の下請け業者さんが来たものの、「うわ、これ積水さんか…ウチの道具じゃ穴開けられないよ」と断られてしまうケースが、ネット上の口コミでも散見されました。

最悪の場合、無理やり工事をして断熱材を傷つけたり、防水処理が甘くて雨漏りの原因になったりするリスクもあります。

「安物買いの銭失い」どころか、「安物買いの家失い」になりかねない恐怖。このリスクをどうコントロールするかが、このルートを選ぶ鍵になります。

積水ハウスのエアコン工事で失敗しないための「穴あけ」と「配管」

ここからが本題と言っても過言ではありません。

私がリサーチ中に最も恐怖を感じたのが、この「穴あけ」と「配管」の問題です。

想像してみてください。新築ピカピカの我が家の壁に、ドリルで「ガガガガッ！」と穴を開ける瞬間を…。もしそこで、柱や筋交いに当たってしまったら？

そんな悪夢を避けるための、具体的な技術論をお話しします。

ダインコンクリートやベルバーンへの「穴あけ」が難しい理由

積水ハウスの代名詞とも言える外壁、鉄骨造の「ダインコンクリート」や木造シャーウッドの「ベルバーン」。これらは非常に高性能で頑丈ですが、それゆえに後からの加工が困難です。

特にダインコンクリートは厚みがしっかりあり、中には鉄筋が含まれています。もし量販店の業者が適当な位置に穴を開けようとして、中の鉄筋を切断してしまったら…。家の強度に関わる大問題です。

また、積水ハウスの壁は厚いため、一般的な木造住宅用の長さのドリルでは届かない、あるいは貫通させるのに高度な技術が必要という話も聞きます。

「積水ハウスお断り」という空調業者がいるのは、単に面倒だからではなく、失敗した時の賠償リスクが大きすぎるからなんですよね。

先行スリーブ工事を建築中にしておくべき3つのメリット

では、どうすればいいのか。

私が辿り着いた、最も賢い解決策が「先行スリーブ工事（穴あけのみ先行）」です。

これは、家を建てている最中に、エアコン用の穴（スリーブ）だけを積水ハウス側で開けておいてもらう方法です。エアコン本体は後で量販店で買っても構いません。

これには以下の絶大なメリットがあります。

費用は一箇所あたり数千円〜1万円程度かかる場合がありますが、家の安全と将来の自由度を買うと思えば、決して高くはない投資だと私は確信しています。

営業担当者に「エアコンは後で買いますが、スリーブだけは先行でお願いします」と伝える。これだけは忘れないでください。

隠蔽配管の見た目の美しさと将来的なメンテナンスリスク

もう一つの悩みどころが「配管」です。

モデルハウスを見ると、エアコンのホース（配管）が見当たりませんよね？ あれは壁の中に配管を通す「隠蔽配管（いんぺいはいかん）」という施工をしているからです。

対して、壁から外にホースを出してカバーをするのが「露出配管」。

正直、見た目は隠蔽配管の圧勝です。家の外観に無骨なパイプが出てこないので、せっかくの美しいダインコンクリートのデザインを損ないません。

しかし、私はあえて声を大にして言いたい。

「メンテナンス性を取るなら、ダサくても露出配管にすべき」だと。

隠蔽配管のデメリットは深刻です。

家の裏側や目立たない場所は露出配管にし、どうしても外観に関わる正面（ファサード）の一部だけを隠蔽配管にするという「折衷案」という考え方もあります。

見た目も大事ですが、家は長く住むもの。将来の自分が困らない選択をすることも、「家づくり」には大切な要素です。

積水ハウスでエアコンを施主支給するメリットとデメリット

コストダウンの切り札として考えられる「施主支給」。

「自分で買って、積水ハウス（または自分で手配した業者）につけてもらう」。言葉にすると簡単ですが、現場では様々なドラマが起きます。

施主支給で削減できるコストの目安と機種選びの自由度

施主支給の最大の魅力は、やはり価格です。

積水ハウスの見積もりに入っているエアコンが定価の20%OFF程度だとしたら、ネット通販なら50%〜60%OFFも珍しくありません。リビング用の大型機種なら、一台で5万円〜10万円近い差が出ることもあります。

また、メーカーや機種を自由に選べるのも楽しい点です。

「どうしてもこのメーカーのAI機能付きがいい！」「デザイン重視でこのシリーズがいい！」といった個人的な好みを反映させやすいのは、施主支給ならではの特権でしょう。

ただ、この自由には責任が伴います。サイズや配管の方向など、発注ミスは全て自己責任。「届いたらサイズが大きすぎてカーテンレールに当たった」なんてことになっても、誰も助けてくれません。

故障時や水漏れトラブルでの責任区分の曖昧さ

これが一番怖い話です。

入居して数ヶ月後、エアコンから水漏れが発生し、自慢の無垢床が濡れてしまったとします。

積水ハウス経由で買っていれば、一本の電話で飛んできて対応してくれます。床の補修も含めて。

しかし、施主支給や量販店施工の場合、こんなたらい回しに遭う可能性があります。

あなた「水漏れしました！」 量販店「それは施工の問題ではなく、機体の初期不良かもしれませんね。メーカーに聞いてください」 メーカー「調査しましたが機体は正常です。取り付け方が悪いのでは？」 施工業者「いや、うちは指示通り付けましたよ。壁の中の勾配が悪いんじゃないですか？」 積水ハウス「うちはエアコン工事に関与していないので…」

想像しただけで胃が痛くなりませんか？

この「責任の空白地帯」に落ちるリスクを許容できるかどうかが、施主支給を選ぶ覚悟の分かれ道です。

量販店に「積水ハウスの壁は工事できない」と断られるケース

前述の通り、量販店の下請け業者は「リスク」を極端に嫌います。

特に3月や7月の繁忙期は、簡単な工事の現場を数多くこなしたいのが本音。「積水ハウスのダインコンクリート？ 専用のドリルが必要だし、時間かかるからパスしたいな…」と思われても不思議ではありません。

実際に、「当日業者が来たけど、壁を見て帰ってしまった」という悲しい体験談も目にしました。

これを防ぐためには、やはり「スリーブ先行工事」をしておくか、事前に「積水ハウスの軽量鉄骨造（または木造）で、外壁は〇〇です」と詳しく伝え、対応可能な熟練工を手配してもらうよう交渉する必要があります。

「安く済ませる」ためには、施主自身が現場監督のような知識と調整力を持つ必要がある。それが私の結論です。

積水ハウスのエアコン選びで後悔しないためのポイント

最後に、工事ルートに関わらず、機種選びそのもので失敗しないためのポイントをお伝えします。

積水ハウスの家は性能が良いです。だからこそ、古い常識でエアコンを選ぶと失敗します。

高気密・高断熱住宅に適したエアコンの畳数計算

家電量販店に行くと、店員さんは必ずこう言います。

「リビングが20畳なら、余裕を持って23畳用か26畳用がいいですよ。冷えないと困りますからね」

しかし、積水ハウスのような高気密・高断熱住宅でこれを鵜呑みにすると、オーバースペック（性能過剰）になります。

家の断熱性能が高ければ、魔法瓶のように温度を保ってくれるため、実際よりも小さな能力で十分に冷暖房が効くのです。

大きすぎるエアコンは本体価格が高いだけでなく、低負荷運転を繰り返すことで効率が悪くなり、かえって電気代が高くなることさえあります。

積水ハウスの設計士さんに熱損失計算（Q値やUA値に基づく計算）」をお願いし、適切な容量を確認するといいかもしれません。

「大は小を兼ねる」は、エアコンにおいては必ずしも正解ではありません。

積水ハウスオーナーに人気のメーカーはダイキンとパナソニック

これは私の完全な主観…ではなく、SNSやブログで見かけるオーナーさんたちの傾向ですが、やはり「ダイキン」と「パナソニック」の人気が圧倒的です。

ダイキンは空調専門メーカーとしての信頼性が厚く、「うるさら」などの加湿機能が人気（ただし、加湿ホースが太いため隠蔽配管には不向きな場合があるので注意！）。

パナソニックは「エオリア」のデザイン性と、ナノイーXによる空気清浄機能が評価されています。また、積水ハウスのHEMS（ホームエネルギーマネジメントシステム）との連携がスムーズな点も選ばれる理由でしょう。

ちなみに私は、質実剛健な三菱電機の「霧ヶ峰」派です。センサー機能が優秀で、分解して掃除がしやすい点がお掃除好きのリサーチャー魂をくすぐります。

入居後の後付け工事で注意すべきカーテンレールとの干渉

これ、意外と盲点なんです。

図面上で「ここにエアコン」と決めていても、実際に取り付ける際、隣にある窓の「カーテンレール」とぶつかってしまうトラブルが多発しています。

特に最近のエアコンは省エネ性能を高めるために、本体が手前に出っ張っていたり、横幅が大きかったりします。

一方、おしゃれな装飾レールを付けると、予想以上にスペースを取ります。

「エアコンの蓋が開かない！」「フィルター掃除ができない！」なんてことにならないよう、設計段階で「エアコンとカーテンレールの位置関係」をミリ単位で確認してください。

心配な場合は、エアコンの位置を少しずらすか、カーテンレールを機能性のシンプルなものにするなどの調整が必要です。

積水ハウスのエアコンに関するまとめ

ここまで、積水ハウスでのエアコン導入について、リサーチャーとしての視点からかなり細かく、そして少し脅かすようなことも書いてきました。

しかし、これらは全て「後悔してほしくない」という一心からです。

結論として、私の考えをまとめます。

予算に余裕があるなら、やはり「積水ハウス提携業者にお任せ」が最強です。安心感、見た目の美しさ、トラブル時の対応、すべてにおいてストレスフリーです。

しかし、「予算も抑えたい、でも家も守りたい」という方は、「スリーブ（穴あけ）先行工事のみ積水ハウスにお願いし、本体は量販店で購入（信頼できる施工業者を指定）」というハイブリッドな方法を強くお勧めします。

そして配管は、将来のことを考えて、見えにくい場所は「露出配管」にする勇気を持つこと。

家づくりは決断の連続ですが、エアコン一つとってもこれだけの戦略が必要です。どうかあなたの家が、夏も冬も快適で、そしていつまでも美しいままでありますように。