積水ハウスで7000万の家はどんなレベル？実例と内訳を徹底検証

「積水ハウスで家を建てたいけれど、総額7000万円も出せば、さぞかし豪邸が建つに違いない」

もしあなたがそう思っているなら、この記事は少しショッキングな内容になるかもしれません。

私自身、積水ハウスについて調べ始めた当初は、7000万円という金額を聞いて「それだけあれば何でも叶うだろう」と高を括っていました。しかし、徹底的にリサーチを進め、オーナーさんの見積もりや実例を何百と分析していくうちに、その認識が少し甘かったことに気づかされたのです。

もちろん、7000万円は大金です。一般的な住宅価格からすれば、間違いなくハイクラスな予算帯と言えるでしょう。でも、積水ハウスというブランドにおいて、その金額が持つ意味は少し違います。

この記事では、「積水ハウス 7000万」というキーワードの裏側にあるリアルな実情を、忖度なしで解剖していきます。

「夢を見ていたけれど、現実はこうだった」と後悔する前に、ぜひこの情報を頭に入れておいてください。あなたの家づくりを成功させるための、転ばぬ先の杖としてお役に立てるはずです。

積水ハウスで7000万の家はどんなレベル？

まずは、最も基本的な数字の部分から見ていきましょう。「7000万円」という予算が、積水ハウスではどの程度の規模感になるのか。ここを勘違いしたまま展示場に行くと、営業さんの提案と自分のイメージに大きなズレが生じてしまいます。

ここでは、延床面積から割り出される坪単価の目安と、多くの人が陥りがちな「本体価格」と「総費用」の罠について、私のリサーチデータを元に詳しく解説します。

延床面積と坪単価の目安

結論から申し上げますと、積水ハウスで総額7000万円の予算がある場合、延床面積としては40坪から50坪程度の家が目安となります。

「えっ、もっと広い家が建つんじゃないの？」と思われた方もいるかもしれません。

実は、近年の建築資材の高騰は凄まじく、積水ハウスの坪単価も以前とは比べ物にならないほど上昇しています。私が集めた直近のデータでは、オプション込みの坪単価で120万円〜150万円程度になるケースが珍しくありません。

例えば、延床面積45坪の家を建てるとして、坪単価が130万円だとすると、それだけで建物本体価格は5850万円になります。

ここに消費税が入るだけで6000万円オーバー。これに後述する付帯工事や諸費用が乗ってくるわけですから、7000万円という予算は、決して「無制限に贅沢ができる金額」ではないのです。

私自身、この計算をした時に「積水ハウス、恐るべし…」と電卓を叩く手が止まりました。

もちろん、これは平均的な目安です。間取りの工夫や設備の取捨選択でコストは大きく変わりますが、「7000万円あればお城のような家が建つ」というイメージは、一旦捨てておいた方が賢明でしょう。

建物本体価格と総費用の違い

家づくりにおいて最も危険な落とし穴、それが「本体価格」と「総費用」の混同です。

ハウスメーカーの広告や営業トークで出てくる「〇〇万円」という数字、これは多くの場合「建物本体価格」を指しています。しかし、私たちが実際に支払うのは「総費用」です。

積水ハウスで7000万円の予算を組む際、この内訳を正しく理解していないと、契約直前になって「資金が足りない！」とパニックになる可能性があります。

具体的にどのような費用がかかるのか、ざっくりとですがイメージを掴んでおきましょう。

一般的に、総費用のうち建物本体価格が占める割合は約7割から8割と言われています。

つまり、予算が7000万円あるとしても、建物本体にかけられるのは5000万円〜5500万円程度と考えておくのが安全なのです。

残りの1500万円〜2000万円は、家を建てるための「見えないお金」や「家の周りのお金」として消えていきます。

「せっかく積水ハウスにするなら、外構も立派にしたい」
「インテリアもカッシーナで揃えたい」

そんな夢を膨らませるのは楽しいですが、この「総費用の壁」を無視してはいけません。私もリサーチ中に、本体にお金をかけすぎて外構が砂利敷きのまま…という悲しい事例をいくつか目にしてきました。全体のバランスを見極めることこそが、満足度の高い家づくりの第一歩です。

積水ハウス7000万の実例と間取りの目安

では、具体的に7000万円（総額）で積水ハウスを建てると、どのような家になるのでしょうか？

ここでは、積水ハウスの二大看板である鉄骨住宅「イズ・ロイエ」と、木造住宅「シャーウッド」に分けて、そのリアルなグレード感を探っていきます。

カタログに出てくるような大豪邸とはいかないまでも、それぞれの構造の強みを活かした、かなり満足度の高い住まいが実現できるラインであることは間違いありません。

鉄骨イズ・ロイエのグレード感

積水ハウスといえば、やはり鉄骨の「イズ・シリーズ」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。中でも主力商品である「イズ・ロイエ」は、重厚感のある外観と大空間リビングが魅力です。

総額7000万円の予算があれば、延床40坪前後で「ダインコンクリート」を全面に採用した邸宅が十分に視野に入ります。

ダインコンクリートは、積水ハウス独自の最高級外壁材です。彫りの深いテクスチャーと圧倒的な強度は、一目見ただけで「あ、いい家だな」と分からせる説得力があります。

私のリサーチでは、この価格帯の実例として以下のような特徴が多く見られました。

ただし、注意が必要なのは「完全分離型の二世帯住宅」や「3階建て（ビエナ）」を検討する場合です。

これらは設備が2倍になったり、構造計算が厳しくなったりするため、坪単価が跳ね上がります。7000万円の予算だと、延床面積を削るか、設備グレードを落とすなどの妥協が必要になる場面が出てくるかもしれません。

イズ・ロイエの真骨頂である「スローリビング」を実現するには十分な予算ですが、やりたいことを全て詰め込めるわけではない、という絶妙なラインと言えるでしょう。

木造シャーウッドの高級仕様

一方で、木造の「シャーウッド」を選ぶ場合、7000万円の予算はかなりの武器になります。

一般的に、鉄骨よりも木造の方が坪単価は若干抑えられる傾向にあります（もちろん仕様によりますが）。そのため、同じ7000万円ならシャーウッドの方が、内装や設備に予算を回せる可能性が高いのです。

シャーウッドの象徴とも言える陶版外壁「ベルバーン」。これを採用しつつ、内装には無垢材の床やレッドシダーの天井など、木の質感を存分に活かした「これぞ注文住宅」という空間作りが可能になります。

実際に見積もりを見たケースでは、以下のような贅沢な仕様が盛り込まれていました。

正直なところ、私が個人的に住むならこの価格帯のシャーウッドに惹かれます。鉄骨の無機質な強さも素敵ですが、7000万円をかけたシャーウッドの「質感」は、高級旅館のような落ち着きがあって別格だからです。

もちろん、「木造で7000万？」と驚く方もいるでしょう。しかし、積水ハウスの木造技術は一般的な工務店のそれとは一線を画します。耐震性や断熱性を確保した上で、デザイン性も極限まで高められる。そこに価値を感じる人にとって、この選択は決して間違いではありません。

積水ハウス7000万の見積もり内訳を公開

「よし、じゃあ7000万円で契約しよう！」とハンコを押す前に、もう少しだけお金の話を深掘りさせてください。見積書のどの項目にどれくらいの金額が計上されるのか、その「中身」を知っておくことは非常に重要です。

ここでは、私が独自にシミュレーションした7000万円（総額）のモデルケースを元に、費用の内訳を紐解いていきます。「こんなにかかるの！？」と後で青ざめないよう、今のうちに心の準備をしておきましょう。

本体工事費と付帯工事のバランス

先ほど「本体価格は総額の7〜8割」とお伝えしましたが、具体的な数字で見るとよりリアルになります。

仮に総予算7000万円（土地代含まず）とした場合、内訳の目安は以下のようになります。

ここで特に怖いのが、付帯工事費の振れ幅です。

地盤調査の結果、「地盤改良が必要です」となれば、いきなり100万円〜200万円が飛んでいきます。これは積水ハウスに限った話ではありませんが、鉄骨住宅やダインコンクリートのような重量のある建物の場合、地盤への負荷が大きいため、改良工事が必要になる確率は木造よりも高くなる傾向があります。

また、水道の引き込み工事なども、敷地の条件によっては予想以上に高額になります。

「本体に5500万かけても大丈夫だろう」と思ってプランを組んでいたのに、地盤改良費で150万円追加になり、泣く泣くキッチンのグレードを下げた…なんて話は、家づくり界隈では日常茶飯事です。

付帯工事費は「多めに見積もっておいて、余ったらラッキー」くらいの感覚で予算取りをしておくのが、精神衛生上もっとも安全な策だと私は考えています。

諸費用と税金のリアルな金額

家そのものには1円も反映されないけれど、絶対に支払わなければならないお金。それが諸費用と税金です。

具体的には、登記費用、印紙代、住宅ローンの保証料・手数料、火災保険料などがこれにあたります。7000万円規模の家づくりとなると、これらの諸費用だけで300万円近く見ておく必要があります。

「え、300万？車一台買えるじゃないですか…」

その気持ち、痛いほど分かります。私も初めてこの数字を見た時は、何かの間違いじゃないかと思いました。

特に大きいのが住宅ローンの関係費用と火災保険です。火災保険は契約期間や補償内容によりますが、近年値上がり傾向にあり、積水ハウスのような高額物件だと保険金額も上がるため、保険料も高くなります。

また、忘れてはいけないのが「カーテン・照明・エアコン」の費用です。これらは「インテリア工事」として本体に含まれる場合もありますが、予算調整のために施主支給にしたり、量販店で購入したりする場合もあります。

7000万円の家に、量販店の特売カーテンをつけるわけにはいきませんよね。窓の数や大きさにもよりますが、オーダーカーテンやそれなりの照明を入れると、ここでも100万円単位のお金があっという間に溶けていきます。

見積もりの一番下の行にある「合計金額」だけを見るのではなく、その内訳に「まだ見えていない出費」が隠されていないか、目を皿のようにしてチェックしてください。

7000万の積水ハウスで採用できる高級仕様

お金の厳しい話が続きましたが、ここからは楽しい話をしましょう。

予算の配分さえ間違えなければ、7000万円の積水ハウスは「夢のマイホーム」そのものです。この予算帯だからこそ実現できる、積水ハウスならではの高級仕様についてご紹介します。

これを採用するために積水ハウスを選ぶ、と言っても過言ではない、憧れのアイテムたちです。

外壁ダインコンクリートとベルバーン

積水ハウスの外壁は、他メーカーと比較しても頭一つ抜けた存在感があります。

鉄骨なら「ダインコンクリート」。厚さ50mm以上のプレキャストコンクリート外壁で、手で叩くと「コツコツ」ではなく「ゴツゴツ」と硬い音がします。彫りの深さは芸術的で、太陽の光が当たった時の陰影は、何年経っても見飽きることがないでしょう。

木造なら「ベルバーン」。こちらは陶器（焼き物）の外壁です。お茶碗と同じ焼き物なので、紫外線による色あせがほとんどなく、耐久性は半永久的とも言われています。触るとひんやりとした土の感触があり、和モダンなデザインとの相性は抜群です。

これらの外壁は標準仕様ではありません（商品によりますが）。しかし、7000万円クラスの予算があれば、建物の全面にこれらの最高級外壁を採用することが十分に可能です。

「外壁なんて家の性能に関係ないでしょ？」と思われるかもしれません。

でも、家は毎日帰ってくる場所です。遠くから自分の家が見えた時、その外壁が重厚で美しいと、それだけで「頑張って働いてよかったな」と思えるものです。メンテナンスサイクルの長さという実利的なメリットも含め、ここは投資する価値が十分にあるポイントだと私は思います。

ファミリースイートとキッチンの選択肢

内装に関しても、7000万円の予算は大きな自由を与えてくれます。

積水ハウスが提唱する「ファミリースイート」。柱や仕切りのない大空間リビングのことですが、これを実現するには強靭な構造体が必要です。この開放感こそ、高いお金を払ってハウスメーカーで建てる醍醐味でしょう。

そして、家の主役とも言えるキッチン。

標準のパナソニックやリクシルも十分素晴らしいですが、7000万円クラスなら「キッチンハウス」などのオーダーキッチンを導入する方も増えてきます。

キッチンハウスの代名詞でもある「デュエ（Ⅱ型キッチン）」や、ダイニングテーブルと一体化したデザインは、LDKを一気にモデルハウスのような空間に変えてくれます。

ただし、これらのオプションは「塵も積もれば山となる」の典型です。「あれもこれも」と欲張ると、あっという間に数百万単位で予算オーバーします。

「キッチンにはこだわるけど、寝室はシンプルにする」「床は良いものを使うけど、壁紙は標準品で遊ぶ」といったメリハリこそが、センスの良い家づくりの秘訣かもしれません。

積水ハウス7000万で後悔しないための注意点

最後に、7000万円という大金を投じるからこそ、絶対に失敗してほしくないポイントをお伝えします。

「お金があるから大丈夫」という油断が、最大の敵です。実際、予算が潤沢な人ほど、どんぶり勘定になってしまい、後から「こんなはずじゃなかった」と後悔するケースを私は見てきました。

予算オーバーを招く外構費用の盲点

積水ハウスの家は、建物そのもののクオリティが高いです。ダインコンクリートやベルバーンの重厚感は圧倒的です。

しかし、だからこそ起こる問題があります。それは、「建物が立派すぎて、貧弱な外構だと浮いてしまう」という現象です。

7000万円の立派な建物の周りが、ただのコンクリートと安っぽいフェンスだけだったらどうでしょうか？まるで、高級ブランドのスーツにビーチサンダルを合わせているようなチグハグさを感じてしまいませんか？

積水ハウスで建てるなら、外構費用は一般の住宅よりも高めに見積もっておく必要があります。積水ハウスの関連会社である「積水ハウスノイエ」などで外構を頼むと、建物との調和は完璧ですが、費用もそれなりにかかります。

多くの人が予算取りとして「外構200万」くらいを想定していますが、積水ハウスの規模感だと、最低でも300万、できれば500万くらい見ておかないと、建物と釣り合う外構にはなりません。

「予算が足りなくなったから外構は後回し」というのは、せっかくの邸宅の価値を半減させてしまう一番もったいないパターンです。最初から外構費用を聖域として確保しておくことを強くお勧めします。

将来のメンテナンス費用への備え

積水ハウスは「メンテナンスフリー」に近いと言われることもありますが、それは「メンテナンスがいらない」という意味ではありません。

例えば、30年後にやってくる大規模修繕。ダインコンクリートやベルバーン自体の耐久性は高くても、目地の打ち替え（シーリング）や、屋根の防水処理などは必要になります。

特に7000万円クラスの家は、建物が大きい分、足場を組む費用も高くなりますし、交換する設備の数も多いです。エネファームや床暖房、電動シャッターなどの便利な設備は、故障した時の修理費も高額になりがちです。

「高い家を買ったんだから、維持費はかからないだろう」と高を括っていると、将来の修繕費積立がおろそかになります。

積水ハウスには「家守り」という素晴らしいアフターサポートの仕組みがありますが、それは無料奉仕ではありません。7000万円の家を維持するには、それ相応のランニングコストがかかるという事実も、購入前にしっかりと飲み込んでおく必要があります。

家は建てて終わりではありません。むしろ、そこからがスタートなのですから。

積水ハウス7000万の価値と総括

ここまで、積水ハウスで7000万円の家を建てる際の実情について、かなり踏み込んで解説してきました。

「意外と予算が厳しいな」と感じた方もいれば、「やっぱり積水ハウスで建てたい！」と決意を新たにした方もいるでしょう。

私自身、積水ハウスについて調べれば調べるほど、その「価格の高さ」と「品質の高さ」のバランスに唸らされます。7000万円というのは決して安い金額ではありませんが、それに見合うだけの安心感、ブランド力、そして何より住み心地が得られることは間違いありません。

最後に、この記事の要点をまとめておきます。